1.逆光
作詞:石川智晶
作曲:石川智晶
放し飼いにされた大海原で
迷ったふりして 右往左往して
どこまでも認めたくないんだよ
もはやヒトではないことを
空に浮く白い鳥 美しいと目を細めても
今宵 クヌギの木の住處へ足を踏み入れる
なんてあさましい奴かと光の前に平伏して
どれだけ謝ればいいんですか
ああ逆光は體を黑く埋めつくす
たぐいなき日々を前にして
マブシクテ マブシクテ
「ここでは何をしてもいいんだよ」
何百回もまじないのように
唱えた先に押し寄せる闇よ
それを「恐れ」というらしい
深海を這っていた 欲のない魚連れてきて
その成れの果て 誰かが今樂しんでるように
デッドポイントはむしろ強くつま彈けと
斷崖の端までいっそ微笑んで走る
ああ逆光がシルエット浮かび上がらせる
わびしく怯えているんだよ
マブシクテ マブシクテ
この夜空に滿開に笑いた
雪の花よ すべてを消して
手を引かれた子供の頃を
想い出して動けなくなる
なんてあさましい奴かと光の前に平伏して
どれだけ謝ればいいんですか
ああ逆光は體を黑く埋めつくす
たぐいなき日々を前にして
マブシクテ マブシクテ
ヤミクモニ アザヤカニ
オレハイマ ココニイル
マブシクテ マブシクテ
2.涙腺
作詞:石川智晶
作曲:石川智晶
あなたの背中に羽を見る
槍の先に宿るものとは
悲しいほど無縁のものでしょう
あなたの役目は他にあったはず
穏やかな川面を眺めて
わずかばかりに白波が立つ
もはや祈ることしか許されない
いっそ此処で朽ち果てて欲しい
ゆらゆらゆ〜ら揺り籠揺らすように
強く静かにこの手が止まることはない
ただ待ち続ける
朝靄に消えてく勇者に
慰めひとつも言えなくて
花びらひとつ 手のひらに乗せる
どれもなんて頼りないんだろう
ゆらゆらゆ〜らこの空が深紅の布を拡げても
桜の木立にもたれても涙は見せません
節くれだった厚い手をとって
握り締めたその力で
こんな時代じゃなかったら
根を張った菩提樹の前で
誰にもこの肌を触れさせない
柔らかな土の匂いがした
あの笑い声で涙腺がにじむ
ゆらゆらゆ〜ら古い墓石の前に咲いた蒲公英
息をついたらまっすぐにここへ帰ってきて
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